朝起きて恋庭を開いてみるとSからフレンド解消の連絡が来ていた。今後もずっと仕事が忙しくマメに返事ができそうにない、ありがとうございましたといったようなことが淡々と綴られていた。土俵にさえ立てないまま終わった。

 

もう、どうでもいいや。恋庭をアンインストールしたあと、スマホの電源を切った。それから一服をした。とにかくまずは自分のこれからの生き方をはっきりとさせよう。愛だの恋だのと叫ぶのはそのあとだ。

 

Tから連絡があった。先日断った案件をどうにか引き受けて欲しいらしい。彼にしては珍しく弱音のようなことをぽろっとこぼしていた。それでもきっと無理をしてしまうんだろうな。今月から産休で一人減ってしまったが、やはりその影響が大きいのかもしれない。

 

その後すぐにデータが送られてきた。内容はそれほど多くないので今週中には問題なく終わるだろう。

 

社会の変化についていくことが段々としんどくなってきている。情報が多すぎて頭が混乱してしまっている。競争からはもうとっくに身を引いている。取り残されることへの不安はない。のんびりと暮らせればそれでいいやと思う。負け犬の遠吠えでしかないけれど。

 

二十代前半のころは何にも期待することなく淡々と生きていた。他人のことなんて全く気にも留めていなかった。とにかく冷め切っていた。今になって思えば、あのスタンスが自分には一番合っていたのかもしれない。

 

無理にポジティブでいることの方がよっぽど体に毒だと気付いた。