熊野最終日。街をぐるりと廻った。夏休みのような日々は光のごとく過ぎ去っていった。これまで避けてきたことと向き合う良い機会になった。あまりにも多くのことを見過ごしながら生きてきてしまったように思う。あたかも電車の窓越しに風景を眺めるように。

 

人や街がそんな僕に「で、これからどうしたいの?」と問いかけてくる。僕はやっぱり答えられない。でも、もう少しくらい人と触れ合ってもいいかもしれないとは思う。現にこの一ヶ月間はこの上なく楽しかった。正直疲れもしたけど慣れていないのだからしょうがない。

 

人との交流が増すにつれてSNSの必要性を強く感じた。アカウントを一つ持っていればゆるくつながることができる。それに、過去の投稿によって人となりを知ってもらうことだってできる。メールだと常に一対一の向かい合わせになってしまうからどうにも肩が凝る。

 

以前はLINEもInstagramもTwitterもやっていた。定期的に訪れるリセット癖で全てやめてしまった。それが4年前。以来ガラケーを使っている。日常生活においては全く不満はないけど、こうして旅に出ると色々と不都合が出てくる。軽く調べ物をしたり誰かにリンクを共有したりしたいときって結構あるものだ。

 

スマホが便利なのは紛れもない事実。必要以上に悪だと決めつけるのはやはりどうも違うなとようやく思えるようになってきた。スマホに使われさえしなければ問題ない。何でもかんでも頭ごなしに否定していたら人生そのものが面白くなくなってしまう。良いものは良い。素直にそう言える柔軟さはいつまでも持っていたい。