それから表参道の方へ歩き、文房具カフェという場所に立ち寄った。席に着くと1枚の紙を渡された。店内にあるクレヨンや色鉛筆などを使って自由に絵を描いていいとのこと。
Tはさっそく色々な絵を描いていたが、私は全く何も描くものが浮かばなかった。いつもこうだ。自由を与えられると途端に何もできなくなってしまう。
後継者支援の話をした。Tはとても興味を持ってくれた。もし協力してもらえたら百人力だ。少し見通しが明るくなってきた。昨日も感じたことだが、やはり今年は何かが動き始める年なのだと思う。いつまでもグズグズしているわけにはいかない。この機会を逃さないように。
会計をしてくれた女性の目鼻立ちがあまりに美しくて思わず2度見してしまった。相手はきょとんとしていた。
17時ごろ店を出て、小さなスペインバルへ寄り1時間ほど話してから解散した。早い時間から集まると1日がとても長く感じられる。そのおかげでこうして最寄り駅のいつものカフェでゆったりと過ごすことができている。
考えを整理するためにはぼけっとする時間が必要だ。一人の時間は偉大である。ここ最近自分の身に起きていることはきっと偶然ではない。
思うままに進めという暗示なのだと思う。
答えはもうすでに自分の中にある。これ以上もう探す必要はない。
生きているこの機会を存分に活かそう。ただ死を指折り数えて待つのではなく。心の曇りは晴れた。まだ何かが具体的に変わったわけではないが、これから確実にそうなるという自信が今はある。
大丈夫、大丈夫。きっと全て上手くいく。