入場口を抜けるとあの原色の色彩が出迎えてくれた。決して目には優しくないのだけれどまったく不快さはない。むしろずっと見ていられる安心感がある。どれほど眺めてもその絵の意図は分からない。そもそもそんなものは無いのかもしれない。
彼はきっと自分の内なる声と向き合い続けた。そして燃えかす一つ残さずに完全に燃え尽きた。これほどまでに感化されるとは思わなかった。それくらい生命力にあふれていた。勢い余って書籍まで買ってしまった。
再び登戸駅まで歩き駅前のドトールで一息ついた。ここ最近さぼり気味だった日記を立て続けに書いた。18時ごろ最寄駅につきルノアールへ寄った。早速買ったばかりの「今日の芸術」を読み始めた。
彼の言葉は実直だ。だからこそ心に響く。もしかしたらそう見せかけているだけかもしれない。それでも自分も何か描いてみたいと思わせる力があったのは確かだ。気が付くと20時半を過ぎていた。
菅野君と飲む約束をしていたので急いで待ち合わせ場所へと向かった。バーベキューの計画と海外旅行について話した。ひとまず次はインドネシアということでまとまった。
0時ごろ家に着いた。いまだに心がざわついている。今夜はたぶん眠れそうにない。と言いながら結局、5分とかからず夢の中へ落ちた。