学生時代には毎日のように顔を合わせていた友人たちも、30歳を過ぎればめっきりと疎遠になってしまうもの。

あいつ最近何してるんだろう。何の脈絡もなしにふとそう思うときがある。そのときに素直に連絡を取ればいいのに、たいていは何かと理由をつけてその逆のことをしてしまう。

高校卒業から何年か経った頃、急にふとある一人の級友が思い起こされた。特に仲が良いわけではなかったが、バイト先が同じで顔を合わせる機会は多かった。そのときもやはり連絡は取らなかった。

その翌年、彼は亡くなった。事故死だった。同級生との別れはもっとずっと後のことだと思っていた。生きているということはつまり、まだ死んでいないというだけのことだ。

それ以来、ふと気になった人がいたら余計な考えは捨てて素直に連絡を取るようにしている。いつでも会える、いつか会える、向こうから連絡が来る。ただ思っているだけではいつまでもその瞬間はやって来ないのだから。

きっかけはいつだって自分から作るもの。