一時期ウェブの仕事を手伝ってもらっていたMと久々に会った。私が紹介した印刷屋Nさんとも相変わらず上手くやっている様子。彼はとにかく控えめで欲がなくマイペースだ。そんな彼を見てやきもきしてしまうのはおそらく同族嫌悪ゆえなのだろう。
一人で仕事をしていると他者を意識することは全くない。だからこうして人から直に話を聞くと、ああ他人はちゃんと存在しているんだなと安心する。私の知っている人たちが私の知らないところで私に知られることなく今日一日を生きている。そんな当たり前のことが妙に新鮮に感じられる。
出会った人々の多くはもう二度と私の人生には現れない。出番を終えてあとは回想シーンでちらっと出てくるのみ。たとえ道端ですれ違ってもお互いにきっと気付くこともないのだろう。そう考えると全ての出会いが憎らしい。出会わなかったらこんな気持ちになることもなかったのだから。
でもその出会いのおかげで今の私があるのもまた事実だ。出会いたくなかったけど出会えて良かった。だからこそ憎らしい。
そんな感じ。