大晦日の気抜けした街をふらりと歩いた。誰も彼もが同じような表情をしていた。その雑踏の中を作業着姿のおじさんが憮然とした表情で通り過ぎていった。それを見て僕は何だか急に潮らしい気持ちになった。
ふと立ち止まって空を見上げた。いつもと変わらない青がそこにあった。人も雲も絶えず流れてゆく。今までもこれからもずっと。流れているときにはなかなか気付けないけれど。
久々に東口のエクセルシオールへ行った。懐かしかった。昔よくここの喫煙席でSとだらだら話したっけな。彼は今頃どうしてるだろう。あの頃家にこもりがちだった僕を連れ出してくれて本当に感謝している。
帰りにふとゲーセンに寄った。たくさんのUFOキャッチャーと女の子たちがいた。とんだ女の子ホイホイだと思った。チロルチョコの袋詰めが目に止まって二回ほど挑戦した。全く持ち上がることなくアームだけが無事に戻ってきた。
治一郎のバウムクーヘンを買おうと思ったらすでに売り切れていた。残念。
今年もついに終わる。ここに来て何かやり忘れたことはないかとそわそわし出している。だが今更遅い。憂いごとは全て今年に置いていこう。その分身軽になって来年はどどーんと羽ばたいちゃおう。