色んなことがあった。でもこれといって思い出せることは特にない。ということはつまり、何もなかったと言ってもいい。

 

そう、何にもなかった。ただ今日だけがあった。その繰り返しだった。今日が昨日になる頃、明日が今日の顔をして僕の元にやってくる。僕は何の疑いも無しにそいつを平然と招き入れる。そしてそいつは遠慮も無しに延々と居座り続ける。かと思えば気付かぬうちに去っている。

 

そしてまた新たな今日がやって来る。新たな今日、といっても何かが新しくなったわけではない。日付が変わった以外は何も変わらない。今日は今日。それ以上でも以下でもない。

 

別に不満があるわけじゃない。むしろ満足している。それなのに文章にすると暗さが漂う。なぜだろう。分からない。本当は不満なのだろうか。よく分からない。一つはっきりしていることはここに来てよかったということ。

 

どこかへ飛び立ってしまいたいとはもう思わない。今はただ、この日々が一日でも長く続いてくれればいいなと思う。その先にきっと、心から分かり合える人がいると信じながら。

 

時にはこういうポエマーな夜も悪くはない。読み返さない限りはね。