人間関係の中に入って自分を出す。その出し入れによって自分は磨かれる。僕は長らくそれをしてこなかった。そうしておちんちんばっかり出し入れしていた。
とにかく自分をさらけ出すことが怖かった。否定されたら一生立ち直れない気さえした。自分にとって正しいと思うことが他人にとってもそうだとは限らない。その現実に直面する覚悟がなかった。
そんな僕にできることといったら、避けて逃げて濁して誤魔化して生きることぐらいのものだった。ある日ふと、いったいこれは誰の何のための人生なんだろうと思った。このままこうしてこれからも生きていくことを心の底から怖いと思った。
どこまで逃げればいいのだろう。
いつまで逃げればいいのだろう。
いや、どうせならもう逃げることから逃げてやろう。
そう決意してから二年近くが経った。あの頃と比べたら少しは自分を出せるようになったと思う。恐怖心は今でももちろんある。こればかりはもう仕方がない。どうやったってビビってしまうのだから。だから上手く付き合っていこうと今は考えを改めた。
人生はいつからでも変えられる。自分がそう信じる限り。でも一気にやろうとしてはいけない。一歩ずつ一歩ずつ。