今日はたくさん書ける気がすると、朝目覚めた時点では確かにそう思っていた。それから洗濯機の掃除をし始めて、庭の雑草を刈ったり掃き掃除をしたりしているうちに午後2時になっていた。

 

少し遅い昼食を食べ終えたあと、ようやく書き始めるかと思いきや、今度はポッドキャストの編集をし始める始末。時間はみるみるうちに溶けてゆき、やがて17時を知らせる町内放送が無情に流れた。

 

昨日、図書館で〆切本なるものを読んだ。締め切りにまつわるエッセイや書簡を集めたもので、作家ほど人間臭い職業はないなぁと妙にほっこりとさせられた。プロでさえこうなのだから僕がこんなダメダメなのも仕方がないことだ、と素直に思った。

 

結局今日は1行も書けなかった。でもあの本を読んだおかげで、後ろめたさは全くなかった。むしろ作家らしい一日を過ごしてやったと高揚感さえ覚えている。

 

明日こそ書くぞと意気込むのももうやめることにした。その日になってみなければ分からない。締め切りがあったならまた少し心待ちも違うのだろうけども。