旅に出ると決断してから気持ちが随分と楽になった。昨日までの閉塞感や虚無感はもうどこにもいない。とにかく何も考えずにすぐ実行しよう。考えた分だけやらない理由が見つかるだけだから。
とはいえ最初の行き先だけは決めておく必要がある。やっぱり熊野か。確か新幹線を乗り継いで約5時間ほどだった。小説を書いていればあっという間だろう。
その後の行き先はその時々で決める。どれぐらい滞在するかも完全に気分まかせ。がっちりと決めるよりよりもそういうゆるい感じの方がきっと自分には合っている。
ひとまず大きめのリュックを買うことにした。あと携帯型浄水器。それ以外のものは先々で買い足せばいい。何も無人の地へ行くわけではないのだから。
リュックは30リットルあればひとまず問題なさそう。いざアマゾンで検索するとザクザク出てきた。これはまた沼になりそうな気配。コールマン、バートン、ダカイン、ヘリーハンセンあたりで決めるとしよう。
携帯型浄水器はソーヤーのマイクロスクィーズにしようと思っていた。が、水道水には未対応だった。調べるうちにダフィというボトルタイプのものを見つけた。飲みにくいというレビューがちらほらあった。
さらに調べるとNaTiOという同じくボトルタイプのものを見つけた。塩素に加えて鉄錆や鉛なども除去してくれるらしい。飲み口は蓋式でがぶがぶと飲めるようになっている。他の容器に移し替えることも可能。容量は330mlと少ないけど公園は至る所にあるし問題ないはず。値段は3千円ちょっと。よしこれに決めた。
残すはリュックと熊野への片道切符を手に入れるのみ。気張らない気張らない。