次に奈良県立美術館と奈良国立博物館へ行くが、残念ながら両方とも入替期間中で見ることができなかった。かわりに仏像館へ。
鑑賞後、すぐ近くのカフェで小休止。リタイア後に夫婦で始めましたといった感じのほのぼのとした雰囲気のカフェだった。公園が一望できて立地も良かった。
カフェを出て東大寺へ。風神雷神の像を見て親父はとても喜んでいた。親父のこんなに喜ぶ姿は生まれて初めて見たかもしれない。ずっとこの風神雷神像を生で見てみたかったらしい。それさえ初耳だった。無関心無感動な父だとばかり思っていたので意外だった。
その後は奈良の大仏を見る。しかしでかい。ぐるっと一周見て回ったあとうどん屋で昼食を取った。ご当地うどんと思っていたら箸袋に東京と書かれてあった。
その後春日大社へ。樹齢1,000年の杉の木は生命力に溢れていた。自然を前にすると、人間の一生など本当に取るに足りないものだと思い知らされる。
元興寺にも寄った後、ならまち方面へ向かった。格子の家を見学。家の中に庭があり何とも不思議な光景だった。ボリクコーヒーというカフェで一服する。地元の主婦たちが集まって始めてみましたといった感じのアットホームで居心地のよいカフェだった。
歩きっぱなしで皆疲れていたせいかひたすら無言であった。まだ完全には体力の戻っていない親父にとっては相当きつかったと思う。それでも自分から疲れたとは一度も言わなかった。親父なりに気を遣ってくれたのだろう。
カフェを出て猿沢池を横切り商店街を歩いた。この商店街の雰囲気はどこか昔住んでいた阿佐ヶ谷のパール商店街を思わせる。初めてではない気がするのはきっとそのせい。途中でたこ焼きを食べた。銀だことはまるで別の食べ物だった。
夕食はならまち商店街の中にあるがんこというとんかつ屋で。前髪パッツンがよく似合う女性店員が配膳してくれた。日本人形のような麗しさだった。思わず5度見した。
たとえ家族であっても四六時中一緒にいるのは疲れるもんだなーと再認識した。一人旅の気楽さを知っている分余計にそう感じる。でも十数年ぶりの家族旅行はとても思い出深いものとなった。
次回こそは天川村へ行けますように。
明日へ続く。