つまらない顔をしていることにふと気が付いた。おそらく随分と前からこうだったのだろう。これでは運や他人が離れていくのも無理はない。

 

自分では普通の顔をしていると思っているときは大抵、不機嫌な顔になっているものだ。

田舎に移住する若者が増えているらしい。会社勤めではない私はその気になれば今日からだって移住できるわけだが、毎日こうして自室にこもってはパソコンとにらめっこする日々を繰り返している。これでは視野は狭くなりますます臆病になってゆくばかり。

15時ごろにふらりと家を出た。最寄り駅の反対側を当てもなくふらふらと歩いた。大きな体育館や競輪場があった。住宅や人通りは全くなく何だかとても物寂しくなった。駅の方へ戻っていると中野から連絡があった。19時過ぎに落ち合うことになった。

なんとなくイタリアンレストランへ。イタリアとドイツのハーフのダニーという青年が注文を取ってくれた。

 

しかし彼の会話能力には本当に感心する。恥をかくなどという気持ちは一切無い。会話は心でするものだということを見事に体現している。文法にとらわれカカシになった自分をつくづく情けなく思った。

彼が最近読んだ本によると30代独身の約1割は全く友達がいないらしい。その他にもとても興味深い話ができた。

 

会う前からどうなるかを予想するのは全くの無意味。それはただ会わない理由になるだけ。人生は予想できないからこそ面白い。自らの常識にとらわれないように。