いまだかつて経験したことのない退屈感に苛まれている。それでいてものぐさだから始末に負えない。

退屈の虫を抑えるにはとにかく何かをやるしかないと理解しながらも、ただいたずらに時間を浪費してゆくばかり。いよいよ何かを生み出す時が来たのかもしれない。そうでなければこの退屈感はとても耐えられそうにない。

現実的な考え方ばかりしているとあらゆることが楽しめなくなる。新しいことを始めてみたり誰かと会うことに意味を求めるのがそもそも間違い。人生自体に意味など無いのだから、何も考えずにただ思う通りにやればいい。

15時過ぎにふらっと家を出た。ほとんどの人はきっと自分と同じような気持ちで外に出ているのかもしれない。もし熱中できる何かがあればこんな手持ち無沙汰にはならないだろう。

 

仕事以外に何をしていいか分からないなんてまるで定年を迎えた老人そのものである。それだけは避けようと仕事もほどほどにやってきたのにも関わらずこの有様。これならいっそ身を粉にして働いていた方がまだましだ。

もう一度よく考えてみよう。与えられたこの人生の中で自分が為すべきことは一体何か。10代の頃のような柔軟さと好奇心を持ち続けよう。

俗的に生きることが悪だとしても、やはり私にはそう生きる他ないのだと観念した。