全身からニンニク臭が漂っている。犯人は昨晩食べた餃子。この状態ではとてもカフェには行けそうにないので今日もおとなしく家で過ごすことにする。

 

昨日ふいに小説について考え直したことで、ここ最近の上手くいってる感がすっかり無くなってしまった。私のやる気を削ぐのはいつも決まって私自身である。そして振り出しに戻ってまたぐだぐだと難しい顔をしながら考え始める。高すぎる理想、多すぎる要求、上げすぎたハードル。これが私を追い詰めている正体。

 

他人とは違うと心の中で思っているだけではその違いを示すことはできない。黙っていれば高尚な雰囲気を与えられるかもしれないが単に中身が空っぽなだけ。一歩引いて高みの見物をしているのは自分には何もないことが分かっているから。

 

私にあるのは虚飾と虚勢だけ。分かっていることをそうだと確信するのはひどく恐い。それを避けてきたから今の自分があるわけだし。でもこのまま避け続けていたらそのうちきっと自分を見失う。だからこそ今ここで自分で自分をやっつける必要がある。

 

おそらく立ち直れないだろう。最後の砦を失ってきっともう二度と自分のことを特別だなどと思わないことだろう。それでも虚勢を張って生き続けるよりは大分ましだ。空っぽだと心から認めることができた時、そのとき私は初めて心から笑えるのだと思う。