Mとお茶。やはり文章で伝えるのには限界がある。以前教えたこともすっかり忘れているようだしこれはバシッと言ってやらないといけない。などと思っていたが、実際に会ってみるとすっかりそんな気持ちも収まってしまった。
顔を合わせるという行為にはどうやら鎮静作用があるらしい。とはいえ、言うべきことはきちんと言わないといけない。Kとのこともあったので刺々しくならないよう気を付けながら伝えた。それでもきっと、彼はまた同じ過ちを繰り返すだろう。失敗を避けようとする限りずっと。
何故こうするのかといった本質的な部分が分かれば、それは生きた知識となる。だからなるべくそういう風に教えてきた。でもたぶんこれが間違っていたのだと思う。彼は詰め込み式の方が合っていた。マニュアルのようにこれはこれ、それはそれと教わった方が飲み込みやすかった。
人は皆それぞれ違う。自分にとって価値のあるものが相手にとってもそうだとは限らない。その逆も然り。だからまずは相手が求めているものを与えよう。