久々にNさんとお茶。Mとはその後連絡が取れたらしい。こちらにはまだ返事はない。今はしばらくそっとしておいて欲しいのだろう。向こうからまた連絡が来るのを待つとしよう。
Nさんはいつでも前向きだ。深刻そうな話題もまるで何事もないかのようにあっけらかんと言う。そういう底無しの明るさのおかげか、独り身だが悲壮感は全く感じられない。
確かに話は噛み合わないが、それでも敬遠せずにいられるのは直向きで実直な方だと分かっているからだ。
帰ってきてから焚き火チャットと恋庭を開いた。気になったつぶやきにメッセージを送るとすぐに返ってきた。世の中自分も含めて皆寂しがりなのだ。ほとんどの人はその時限りのインスタントなつながりを求めている。
しかしこうして眺めていると色々な人がいるものだなとつくづく思う。僕らは同じ時間のうちに全く違うことを考えている。絶望の淵にある人や何かに怒っている人、惚気る人、構って欲しい人など様々だ。つながるには些細なきっかけ一つあればいい。
こうして気付けば10人以上もの名もなき人々と同時進行的に会話をしていた。時間はみるみるうちに溶けていった。小説を書くこともブログを書くこともアニメを見ることも何一つできなかったが、女の子と話すことで想像力が活性化されることに気が付いた。
人間関係の中に飛び込めば自分の人生を放ったらかしにできる。自分には何もないと感じる人や何もやることがない人ほど他人に依存してしまうのかもしれない。逆にやることがある人はわざわざ余計に人間関係を増やしたりはしない。時間が奪われるだけだから。
しばらくやり取りをしたあと、突然ぷつりとアプリを閉じた。それまで目の前に見えていたはずの人々は一瞬で消え去って、一人ぼっちになった。これが現実だ。背けてはいけない。誤魔化してはいけない。見届けよう。そしてその一部始終をここにしっかりと書き残そう。
君の悩みは何も特別なことじゃない。皆が心のうちにふと思っていることだ。でも大抵の人は別の何かで蓋をして忘れたフリをする。もしくはその悩みを言葉で表す術を知らずにいるだけかもしれない。
君の抱いたその違和感は正常だ。だからどうか嫌わないでやって欲しい。そしてどんな形でもいいからそっと外に吐き出してみて欲しい。仲間は必ずどこかにいる。君を理解してくれる人はいつかきっと現れるはずだから。
●追記
恋庭で初めてマッチングした方が恐ろしく趣味の合う人で喜びに溢れている。ニルヴァーナ好きと知ったときは思わず心が小躍りしてしまった。まさかここでそういう方と出会えるとは思わなかった。
この人のことをもっと良く知りたい、と思ったのは一体いつぶりだろう。この先どうなってゆくかは分からないけど、知り合えたことはずっと忘れないと思う。