ふとスティーブソレイシーの英語表現を読み返してみた。この一冊を完璧に覚えれば日常会話に困ることはまずない。ただし、ただ単に詰め込むだけでは全く使い物にならない。

20代半ばの頃、毎日夢中になって英語を勉強していた。時間割を作って文法、単語、音読、瞬間英作文、句動詞と満遍なくやったつもりだが、結局話せるようにはならなかった。

 

あの日々が無駄だったとは思わない。言葉は手段であって目的ではないことにも気付けたからだ。

正しい文法を身に付けるのは大事だがやり過ぎてはいけない。そのせいで余計に間違いを恐れるようになってしまう。話すだけならそれこそ中学で習った基本動詞と文法さえ知っていれば十分。

 

しかし最も大切なことは文法通りに正しく話すことではない。相手のことを理解したいという気持ち。正直なところ、私にはその気持ちがなかった。

 

道具は磨いているだけでは全く役に立たない。