小田原の宿の一室でこれを書いている。なんて書き始めると昔の文豪っぽいよね。

 

いつもどおり起きて、午前11時ごろようやく荷造りを始めた。先日買ったリュックに詰めてかついでみるとやたらと重い。伊豆大島のときと荷物の量は変わらないはずなのに何故?

 

そこでいつものリュックに詰め替えようと思い立ってふと時計を見ると、すでに12時を過ぎていた。万事休す。諦めてそのまま家を出た。

 

駅のホームに着くと、乗ろうと思っていた電車はもう発車した後だった。もちろんこうなることは予想していた。本命は次の電車だったので問題なし。

 

物件の前に着くと担当者が待っていてくれた。何というかもう全身から母性がにじみ出ていた。初見でああ、大丈夫だと確信した。いざ内見してみると想像以上に良かった。すぐに申し込みをした。

 

担当者は奇しくも同世代だった。そのためか会話がぽんぽんと弾んで、気付けば内見はおまけみたいな感じになっていた。余計なことをたくさん話してしまったような気がする。

 

そのくせ久々に話したもんだから途中から声がガラガラでおまけに噛み噛みだった。普通に今度飲みに行きたいなと思わせるほど親しみやすい方だった。

 

不動産屋を出ようとしたらちょうど雨が降ってきた。もちろんこうなることは予想していた。するとそれを見かねたマリア様が小田原まで送って差し上げましょうと言ってくださった。甘えることにした。本当に至れり尽くせり。

 

車中でも色々な話をした。会話の楽しさを再発見した。今日ここに来て良かったと心から思った。小田原に着いたときにはもう雨は上がっていた。深々とお礼をして別れた。予約していた宿は案外すぐに見つけられた。

 

チェックイン後、やたらとお腹がグーグーなるなと思ったら昼食を食べていないことに気付いた。少しゆっくりしてから18時ごろ早めの夕食へ。

 

受付の方におすすめの飲食店を聞くとどういうものを食べたいかにもよるわよ~と笑いながら言われた。確かにその通りだなと思って僕も笑った。

 

無難にチェーン店でいいかという思いにも駆られたが、何とかすすめてもらった店に入ることができた。来ている客のほとんどは常連客だと思われた。居心地の悪さを感じながらも恐る恐るヒレカツ煮定食を注文した。

 

心配しなくていい、相手は別に何とも思っちゃいない。仮に思っていたとしても、きっともう二度とここへは来ないのだからどうでもいい。などと自分に言い聞かせながら料理がやってくるのを待った。

 

甘みのあるソースをたっぷり吸った衣と柔らかな肉の組み合わせが堪らなかった。一口食べてこれは天国だと思った。この甘みの正体はきっと椎茸に違いない。妥協してチェーン店にしなくて良かった。大満足だった。

 

宿に戻り、熊野の行き方と宿についてまた調べた。で、すぐにやめた。とりあえずみどりの窓口へ行けば何とかなるだろうし、宿はこの時期だったらどこかしら空いているはず。予定どおり、行き当たりばったりの旅をやってみよう。

 

●今日のこと

・物件の内見。

・小田原のホテルで一泊

・個人経営店で夕食

 

●今日のありがとう

・内見の対応と送迎をしてくれた不動産屋のSさん

・チェックインの対応をしてくれた宿屋の男性スタッフ

・おすすめの飲食店を教えてくれた宿屋の女性スタッフ

・注文を取ってくれた飲食店の若い男性スタッフ

・配膳をしてくれた飲食店の中年の男性スタッフ

・ごはんお替り自由ですと教えてくれた飲食店の女性スタッフ

・会計をしてくれた飲食店の中年の男性スタッフ