寝付けないまま朝を迎えた。2階建の家の中に一人きりというのはさすがに心細かった。シャワーを浴びてからコンビニにお金を引き出しに行った。

 

そのまま散歩がてら海沿いへ向かった。風はあるが涼しくはない。湿度が相当高くてまるでサウナのようだった。30分も歩いていないのに額はすでに汗だくだった。

 

宿に戻るとY氏の姿があった。昨日立て替えてもらった夕食代を払いしばし雑談。近所の新しくできた喫茶店MIYABIで一緒に朝食を取ることになった。モーニングメニューにうどんがあった。試しに頼んでみるとあっさりとした素うどんでほっこりとした。

 

食事中、彼の電話が鳴った。声の主は例の橋村さんだった。何だか見透かされているような感じがしてふいに笑顔がこぼれた。

 

なんだかんだやっているうちに13時になっていた。気持ち的にはもうこのままずっとだらだらしていたかった。そこからどうにか気持ちを奮い立たせて宿を出発。

 

駅に着くとなんと次の電車は2時間後。ひとまず観光案内所に寄って鬼ヶ城へ向かうことにした。汗が延々と流れ頭はぼんやりとする。これはまずいと思い写真だけ撮って途中で引き返すことにした。

駅前まで戻るとあおというカフェを見つけた。入ると今の時間は食事の提供はしていないと言う。後でまた来ますと言って勧めてもらったグリルモリに向かった。

 

そういえばこの店はY氏も勧めてくれていたっけ。一口カツを注文した。家庭的で素朴な味がした。特に味噌汁が美味しかった。時計を見ると15時15分。カフェに寄るのは諦めた。

 

ホームで待っていると高校生がぞろぞろとやってくる。車内が高校生だらけだったら嫌だなあと考えたら急にどきどきし始めた。乗るのやめようかなとも一瞬思った。ひよい。でもいざ乗ってみると全くのがら空きだった。

 

新宮駅には30分ほどで着いた。ゲストハウスに向かおうとするも途中で力尽きて、駅前のビジネスホテル美郷に泊まることにした。荷物を置いて近くを散策。が、飲食店が全くない。

途中で猫の親子に遭遇したがあいにくキャメラを持って来ていなかった。しかしかわいい。母猫がぎっとこちらを睨んでいたので速やかに通り過ぎた。

 

ぱらぱらと雨が降ってきた。ホテルに戻り明日の計画を練ることにした。風呂に入って日記を書いた。雨は次第に強くなっていった。この地域は天気がころころと変わる。山が近いのも多分に影響しているのかもしれない。

 

23時過ぎに就寝。明日はどうか晴れてくれますように。