13時ごろ山ちゃんに迎えに来てもらい、途中お礼も兼ねて山茶郷に寄る。すると今朝チェックアウトしたお客さんがたまたまそこにいた。小坂さんという女性の方で亀山市から来たという。

 

彼女は一足先に食事を終えて足早にその場を立ち去ろうとした。僕は何だか名残惜しくてすかさず質問を投げ掛けた。すると彼女は再び席に着き話をし始めた。するとニュージーランドやイギリス、東京などいろいろな場所に暮らしていたことが分かった。

 

興味深い話を聞きながら、勇気を出して呼び止めて良かったと心から思った。熊野に訪れる人につまらない人はいない。その法則は間違いなかった。

 

女性は強くて柔らかい。男の手など借りずとも余裕で生きていけるだろう。それでも時には恋に落ちることだってあるのだろう。まったく恋というものは不思議だ。

 

14時45分ごろに店を出てわがらん家に向かった。受け渡し相手も同じタイミングでやって来た。目上の方と思っていたら1つ下だった。あちらも僕のことを40代ぐらいの主婦だと思っていたらしい。

 

掃除機の受け渡しは5分ほどで終わりそこから雑談タイムになった。彼女の名前はちえさん。ワーホリでオーストラリアやチリに行ったり、東京のゲストハウスに暮らしたりとこちらもまたパワフルな女性だった。本当にたくましい。

 

ちょっと見ていいですかと彼女はポスターやスーファミなどを物色し始めた。クレヨンしんちゃんのヘンダーランドを指差しこれ劇場で見ましたよとこの日初めての笑顔。思い出はいつだって人を笑わせてくれる。

 

その後、18時近くまで延々と3人で話し続けた。ちえさんはどことなく聖蘭に似ていた。基本サバサバとしているけど急にボケてみたり無茶振りをしてみたりと全くつかみどころがない。

 

弱味をあまり見せそうにないという点では自分とも共通している。兎にも角にも楽しいひとときだった。掃除機をきっかけに女性と出会うなんて思いもしなかったけど。この町全体が縁結びの神様に見守られているのかもしれない。

 

その後山ちゃんとボイスレコーダーを買いに新宮へ。トマオニには寄らずそのまま帰宅。オークワの駐車場でしばし雑談。途中ボイスレコーダーをいじるフリをして録音開始。録音時間は18分。話はいつまでも尽きない。

 

出会いに溢れた面白い一日だった。

どうもありがとう。