1日目。6時45分起床。早起きしたときのこの妙な高揚感はなんだろう。洗濯と掃除を済ませてたかやが来るのを待つ。7時半近くになってようやく彼が姿を現す。

 

9ヶ月ぶりの再会。特に感慨に耽ることもなく、さくっと近況報告をしたあとでファイナルファイト2に興じる。4面ボスのロレントであえなくゲームオーバー。山ちゃんは二度寝。

 

お腹が空いたのでローゼンへ。たかやはカレーセット、こちらはイタリアンスパゲッティ。ここのスパゲッティは本当に美味い。

 

一度わがらん家に戻り山ちゃんと雑談。話題はなぜかマーヴェルに。改めてこの二人はよく似ていると思った。彼らの会話の様子を微笑ましく眺めていた。

 

しばらくして二人で鬼が城へ。ソフトクリームを注文。横のベンチではヨーロピアンな女性二人組が先にペロペロとしていた。なんてしなやかでたくましいのだろうとしばらく二人で見惚れていた。

 

運動不足の彼には鬼ヶ城の道のりはなかなかにきつかったようだ。途中からぱたりと会話が止んだ。岩場に腰掛けて二人で水平線を眺めた。

 

穏やかな太陽と雲一つない空。幸せなひと時だった。本当の豊かさとは労せずして手に入れられるもの。だからこそきっとその価値に気付けないのかもしれないと、そんなことをふと思った。

 

宿に戻り自転車を借りいざ自宅へ。彼はまさかのスーツケースでやって来ていた。後ろの荷台にヒモで固定したが早々に解けて、結局自転車を押しながら歩くことになった。

 

良い歳こいたおっさんたちがゲラゲラ笑いながら自転車を押し歩く様を、後ろから颯爽と通り越していった小学生が振り返ってまじまじと見つめていた。

 

彼の目には僕らは一体どう映ったのだろう。これから先の人生でこの場面を思い出すことはあるのだろうか。

 

自宅に到着したのは結局20時近く。ぱぱっとシャケを焼き、次いでほうれん草のソテーを作り今晩の夕食とした。その後0時近くまでシラフで語り合った。彼との会話はやはり飽きない。