何から書こう。どう書こう。そうして書いては消してを繰り返して、無為に時間だけが過ぎてゆく。

 

書きたいことは山ほどあるはずなのに、どうにも考えがまとまらない。いや、何か違う気がする。そもそも書く目的って、考えをまとめるためじゃなかったっけ?

 

とりあえずぱっと吐き出してみよう。上手くまとめようとかそういう意図は一切合切抜きにして。じゃないと永久にセルフ賽の河原モードから抜け出せないままだ。それじゃあ早速。

 

久々にわがらん家に泊まってのんびりとした時間を過ごした。夕飯を作ってケーキを食べて他愛もない話をしてゲームをしてテレビを見て、まるであの頃に戻ったかのようだった。

 

いつ来てもここは変わらない。何もかもが変わってゆく中で、そういう場所が一つでもあるのは本当に幸せなことだ。

 

僕らの関係性もあの頃と比べたらだいぶ変わったと思うけど、それでもここに来れば一瞬であの頃の僕らに戻れてしまう。

 

僕が今こうしてこの街で暮らしているのは、あの時この場所で彼と出会えたからだ。その意味では、彼は僕にとって人生のキーマンであり恩人でもある。

 

何もかも手詰まりで、何もかも投げ出したくて、それでもまだ何もかも諦め切れなくて、そんな煮え切らない自分に心底嫌気が差していたあの時。向かった先がもしここではなかったら、今頃僕はどうしていたんだろう。そう考えると何だかぞっとしてしまう。

 

布団に入って今日のことを振り返る。一瞬一瞬がかけがえのない人生で、だからこそどんなことであっても見逃しちゃいけないと思った。今日話した何でもないようなことが、いつかの良き思い出となることだってあるのだから。

 

これからどんな面白いことが起きるだろう。ここに来て彼と話すたび、自然とそんな期待感がぶわっとあふれてくる。せっかくの人生だ。思う存分に味わい尽くしてやろう。