正直、移住が人生の転機になると思っていた。でも単に移住をしただけでは何にも変わらなかった。

 

今日、畑を借りているおじさんに「覚悟が足りない」と怒られて、自分の甘さに気付かされた。同時に情けなくなった。

 

こんなはずじゃなかったと百回言っても言い足りない。スローライフを続けているうちに、自分を持て余しているような気にもなってきた。結局同じところをぐるぐると回っているだけ。

 

改めて移住者のインタビュー記事を読んでみた。自分にできることを最大限に活かして、誰かに必要とされながら新たな暮らしを大いに楽しんでいる姿がそこにあった。これこそ移住者だと思った。

 

僕もあんな風にもっと人と関わっていきたいし助けにもなりたい。いくらそう強く願っていても、具体的に行動しなければただの妄想で終わってしまう。そのための覚悟が僕にはまだない。だからこうしてまたネットの片隅に恨み節を吐いている。

 

ここではないどこかへ逃げ出したとしても、結局同じことが繰り返されるだけ。分かっているけどそんな考えがふと頭をよぎる。僕はなんて無知で無力なのだろう。

 

あの頃の自分が今の僕を見たらきっと「せっかく決断したのに無駄だったみたいだね」なんて呟くに違いない。そうだった。怖くて怖くて仕方なかったけど、それでもあの頃の自分はちゃんと勇気を出したんだ。

 

今の僕にできないはずがない。だって僕は僕なんだから。これからもずっとねちねちと恨み節を繰り返しながら生きるだなんてまっぴら。せっかくこうして新たな地で新たな暮らしを得たのだから、新たな自分にだってなりたい。

 

どうせこんなもんだと半ば諦めてはいるけど、完全に希望を無くしたわけでもない。その一縷の望みってやつに全賭けしてみようと思う。

 

まずはおじさんに今の気持ちを伝えに行こう。