長らく放置していた終活の本をようやく読了。一人っ子の終活について筆者の経験をもとにかなり具体的に書かれてあって、タメになったと同時に少し暗い気持ちにもなった。

 

人はやがて必ず死ぬ。死んだら退屈を感じることもない。かといって、じゃあいっそ死んでしまおうかと考えるのはまったくつまらないことだ。

 

そうではなくて「ただ普通に生きているだけですでに十分幸せ」と人生に対する期待値をうんと下げてしまえばいい。そうすれば退屈も案外楽しめるもの。

 

元来、人間は何かをするようにできている。その点では何もしないというのは不自然なことなのかもしれない。

 

「もっと何かした方がいいんじゃないか」とか「可能性を無駄にしてるんじゃないか」といった焦燥感に駆られる度に「何もしないをしている」となだめて何とかその場をやり過ごしていたけど、気分はずっと晴れないままだった。

 

この何もしない暮らしに対して全く後悔はないと言ったら嘘になるけど、全く満足していないわけでもない。仮にやり直せたとしても、きっと結果は変わらないだろう。他人の生き方をどれほど羨ましく思っても、自分の生き方はそんな簡単には変えられない。

 

でも変えられることだってある。親や他人との関係性、日常の中の習慣、物事の捉え方。他にも色々とあるだろうけど、それによって生き方も自然と変わってゆくものなんじゃないかと今は思う。

 

終活もそのきっかけの一つ。より良く生きるためという点では仏教とも通じるものがある。まだ完全に結婚を諦めたわけではないけど、今はとにかく焦らず慌てずご縁があるのをじっと待つことにする。

 

結局、揚げドーナツは作らなかった。