初めてバンドを組んだのは今から約10年前、高校生の時だった
初めてコピーした曲は確かチャコールフィルターのBrand-New Myself

聴く音楽はだいぶ変わったけど、この曲だけは今でもたまに聴く
というかあの頃の青春パンク全般

音楽の趣向って心の状態を映し出す鏡だと思う

ロンドンパンクにはまったのはきっと反抗心があったから
グランジやオルタナにはまったのはきっと他人と同じになりたくなかったから

つまり何が言いたいかっていうと、楽器屋にバンドスコアを買いに行った時のあのわくわくした気持ちを忘れちゃいけないってこと

ところで、誰でも一度は大人を嫌いになると思うんだけど君はどう思う?
映画、音楽、漫画、小説からの影響は効きすぎてむしろぼくには毒だった

だけど大人とみなされる年齢になった今、やっぱりその感情は間違ってなかったとも思う
大人になったら何かを失うと思ってた
でも実際は両手がふさがるぐらいの荷物を抱えてた

思い返してみれば子供の時は誰かと遊ぶのにも、学校へ行くのにも、それにゲームをするのにも理由とか意味なんて全然考えなかった

誰かと会うことが、何かをやることが、こんなにも億劫になってしまったのは一体いつからだろう
一つ確かなことは、家でまったりパンクロック聴きながらメロンソーダがぶ飲みした19歳のあの夏の日々はもう2度とやってこないってこと

あんなにも抑えるのに必死だった10代後半のあの衝動も、今じゃ出したくてもちっとも出てきてくれやしない

やればやるほどやりたいこととできることの差を思い知るだけだ

一体ぼくに何ができる?
ここがロンドンでもシアトルでもマンチェスターでもないことは知ってる
それに70年代でもなければ90年代でもないことも知ってる
キース・リチャーズにマインドが無い国と言われても仕方がない

何かを成し遂げたいとは最初から思ってない
ただ、あの放課後の教室で感じたあの感情にほんの少しでもいいから近づきたいだけ

知りすぎないくらいがちょうどいい
生きることに慣れたらつまらない