夢にめぐが出てきた。小さい時住んでいた家のリビングで2人で話していた。話の内容は思い出せない。確かなことは目覚めたときにとても名残惜しく感じたということだけ。

 

どんなめぐでも、めぐはめぐだよ。いつか彼女に伝えた言葉を今改めて自分に向けて伝える。どんな私でも、私は私。この言葉を一番必要としていたのはきっと私の方だったのだ。私だけはいつだって私を見捨てずにいてくれる。それを知っていれば1人ぼっちでもへっちゃらだ。これから先もきっと。

 

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私がバンドをやっていた頃のこと。縁あってD.O.G.S.の主催するGrunge Nightという企画ライブに出たことがあった。グランジやオルタナ系バンドのみを集めたまさに夢のようなライブだった。あーこれこれ、というバンドばかりで観ているだけでも楽しかった。

 

対バン同士のつながりはその後もゆるーく続いていった。私は人見知りゆえにあまり深く関わることはできなかったが、それでも彼らに出会えたことは一生の宝物だ。最も多感な時期に彼らと過ごすことができたのは幸運だった。

 

バンド内の人間関係で悩んでいたとき、親身になって話を聞いてくれたこーじさん、かつみ先輩、まるこさんには特に感謝している。早朝の荻窪駅前で見たあの3人の後ろ姿は、13年経った今でもはっきりと覚えている。

 

ふと気になって当時つながりがあったバンドのことをネットで調べてみた。myspaceやmixiのページは今でもちゃんと残っていた。そしてD.O.G.S.が今も活動中であることを知った。私が過去に置いてきてしまったものを彼らは今でも大切に持ち続けている。そのことがたまらなく嬉しかった。これだと思うものを見つけそれをやり続ける。それは成功するよりもずっと難しいことだ。どれだけ自分を信じられるかにかかっている。

 

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本を読む度、私はその作者にすっかり打ちのめされてしまう。そして自分の浅はかさを嫌というほど思い知る。例えば火事が起きているとする。私はそれを遠くからぼんやり眺めて火事だとつぶやくだけだが、作者はといえばまさにその火中にある。

 

伝えるべきは何が起こったかではなくどう感じたか。私に足りないのはきっと、自らの身を以て知ろうとする覚悟と自らの言葉を以て伝えようとする決意なのだと思う。私の書いたものにどこか空虚さが感じられてしまうのはおそらくそのせいなのだろう。とにかく、私に今書けることを書こう。