近所のニトリへ折りたたみの椅子を買いに行った。セルフレジになっていて少し戸惑った。
ボブカットでスラっとした美人店員がいてしばらく見惚れてしまった。和服がよく似合いそう。ふと我に返り不審者だと思われなかっただろうかと急に心配になる。
素敵だと思った人をじーっと見てしまう癖がある。お近付きになりたいとかそういう気持ちは一切ない。とにかくただ飽きるまでずっと眺めていたいだけ。
右手に椅子を抱えながら家路に着く。行き交う車と人の群れ。相変わらず世の中は忙しない。置いてけぼりを食らった私にはもう手の届かない世界。
そんな世界や私はどこにもないと断言するラマナ。あなたの言うことは真実なのかもしれない。でも私はあなたのように賢くはなれない。だからその言葉を信じることはできない。
こんな私に一体何ができるというのだろう。もっと正確に言えば私に望まれているものとは何なのだろう。成されるべきこととは?もう何も分からない。何も。どうかせめて明け渡す勇気をお与えください、と願うことしかできない。