移住先として茅ヶ崎駅が急浮上してきた。Googleマップで見た感じとても雰囲気が良かった。ちょうどairbnbで気になっていたゲストハウスもここにあるし、一度訪ねてみてもいいかも。

 

試しにニフティ不動産で物件を探してみたらRC造で4万円台。一般的に見ればこれでも十分に安いが、自分としては完全に予算オーバー。固定費はとことんまで落とす。生活のために働くなんて真平ごめんだ。

 

いざ予約をしようとしたらやっぱり二の足を踏んでしまった。恐怖のためではない。三度の飯をどうするかという全く下らない理由によって。朝だけでも出してもらえたらなあと甘々な考えが頭をよぎる。

 

気付けばもう12時半過ぎ。おにぎりを食べて支度をして矢向のドトールへ向かう。今日はN氏とお茶をすることになっていた。誰かとお茶をするときは、少し早めに行って読書をするのが習慣になっている。

 

N氏が現れたとき、1階のカウンター席はご老人方で埋め尽くされていた。2階に移動するとやはりカウンター席は満席。向かい合わせの席に座ることにした。

 

前回会ったとき営業用チラシを作ってはどうかと提案したがそれを早速試してくれていた。訳を聞くと新たに作ったものではなく取引先の流用らしい。なるほど。Mに作成を頼んではどうか?と聞くと彼は忙しので…とあまり気乗りではない様子。

 

N氏は道端ですれ違った人には老若男女関係なく欠かさず声を掛けるらしい。コミュ力の塊だと思った。でもそれは営業を始めるようになってからのことらしい。

 

先日も家の近所でとある女性に声を掛けたようだ。相手は最初怪しんでいたが、名刺とメモ帳を差し出すとだいぶ疑いも晴れてくれたらしい。それからN氏はいくつか質問をして彼女が漫画家であることが分かった。

 

「いやー、おキレイな方でしたよー」と言ってN氏は笑った。

 

それから連載中の漫画を読ませてもらったらしいが、N氏は絵と台詞が合っていないと感じたようでそれをそのまま彼女に伝えたらしい。実に彼らしいと思った。

 

「何だかブスッとした表情になった気もしましたけど、嘘をつくのも悪いですしね〜」と言って再びN氏はごまかすように笑った。

 

その後、N氏は彼女にイラストを描いてもらえないかとお願いしたらしい。まるでダイヤモンドのようなメンタルだ。彼女の返答はいいけど高いわよ〜だったらしい。N氏は一応値段を聞いて、そして渋々諦めた。連載を持っているのだし仕方がない。ただ、イラスト作成はなかなか面白そうだとは思った。

 

それよりも彼女がどんな人かが気になった。いつか話せる機会があったらいいな。