SMOUTでまたメッセージが届いていた。妄想を現実にというイベントのお知らせだった。詳細ページを見ると錚々たる顔ぶれ。
なんとなく移住したいと思っている層にはむしろ毒にしかならないイベントだと思った。僕もすっかり妄想から現実に引き戻されて、改めて現実的に考えてみようと思った。
こうしてメッセージをくれたおかげで、僕がやろうとしていることは移住ではなくただの引っ越しだと気付くことができた。お礼の返事をしたらすぐに返事が来たがもうどうでも良かったので読んでいない。
閉塞感と圧迫感と疎外感と孤独感がごちゃ混ぜになった感情に長らく支配されている。一歩間違えば危うい。こういう時こそ瞑想だと思い目を閉じた。
心に湧いた雑念を取り払って、それから栄養を与える。本質は土いじりと同じ。私とは何かと問う。呼吸のみに意識を向ける。
こんなことをやったって何にもならないことは分かっている。クソみたいな人生は相変わらず続いてゆく。でも今はそれにすがる他ない。
次第に目覚めと眠りの間くらいの感覚になってくる。以前もここまで来ることはできていた。さらに自問を続ける。真我とは。世界とは。私とは。先ほどまでの荒涼とした感情は気付けば消えていた。
暗闇の中央に小さな点の光が現れる。見ようとするとたちまちに消えてしまう。ちょうど飛蚊症の黒い点を追うようなものだ。それから球体のようなものが見えてきた。
周囲の音が徐々に小さくなる。体全体が熱くなる。上半身が前後に揺れる。結んでいた親指と中指が開く。底無しの安らぎが絶え間なく続く。
私は何でもなかった。勝手に私だと思っていただけ。台本はすでにもう書かれている。それなのに懲りずにまた、どうにもならないことをどうにかしようとしてしまっていた。自らの解釈を加えていちいち反応してしまっていた。
流れに身をまかせよう。
全てを受け入れよう。
今できることをやろう。
しっかりと瞑想をするとこんな風に「何言ってんだこいつ」状態になることができる。
午後からエクセルへ。家を出た瞬間、雨が降ってきた。早速試されている。無心で傘を取りに戻る。
カフェモカのホイップをパクっとしてからjbの続きに取り掛かる。Oにチケットを渡す場面。それぞれの進路を聞いたときの自分の心境。二人と別れ家に帰るあたりまで。こうして見ると逃げ続けの人生だった。どうしようもなさをもっと表してもいいように思う。
いくら言葉を捏ねてもそれ以上の言葉にはなってくれない。結局は最初に出てきたものが一番いい。
引っ越し先は二宮でほぼ決まったが、今のところ目ぼしい物件がない。相模原や真鶴なども改めてグーグルマップで調べてみたけどピンと来なかった。相模原は安いけどのどかな感じがあまりしない。真鶴は海沿いではあるけど海岸まであまり近くない。
あとは良い物件が出てくることを願うのみ。