虚しくて寂しくてやり切れない。この感情は一体何だろう。せっかくあの場所から抜け出せたというのに。
この生活は自ら望んだものだ。時間にも他人にも縛られず毎日好きなことができる。まさに幸せそのもの。なのに何でちっともわくわくしないんだろう。
何かに追われたり何かを背負ったりしながら、急ぎ足で生きる人々の方がよっぽど幸せそうに見える。縛られている方がはるかに楽なのだと今頃になってやっと気付いた。だから人々は不満を訴えながらも、決してそこから抜け出ようとはしない。
今の僕には不満がない。それが唯一にして最大の不満でもある。彼らのように、あのまま縛られておけば良かったのかもしれない。そうすればこんな風に虚しさを感じることだってなかったはず。
よくよく考えてみれば、この社会は不満の上に成り立っている。居酒屋も風俗もSNSも新宿もアニメも。つまり、不満を持たないということはパスポートを持たないのと同じ。
縛られるからこそ、不満が持てる。
不満が持てるからこそ、自由に飛び回れる。
自由とは、縛られること。
僕は今、とにかく虚しい。クリアしたゲームを何度もやらされるかのように。これを創作の肥やしにできたらといつも思う。でも結局思うだけで何もしない。ただ虚しさに打ちひしがれるだけ。
このまま生き続けることに何の意味があるんだろうと正直思う。でも死ぬほどの勇気はない。気晴らしに何かをしようと思っても虚しさが横やりを入れてくる。絶望。
あなたがもし僕と同じような考えを持っているとしたら、僕らはきっと良い友人になれるだろう。願わくばいつの日かあなたと話してみたいものだ。夕暮れの海沿いでモスのミネストローネでも飲みながら。