暑さはだいぶ和らいだ。このぐらいならエアコン無しでも十分に過ごせる。やっぱりこの前までが異常だった。もしあのパソコン教室で過ごしていたらきっと危なかった。
二宮周辺のことを調べたりニュースを見たりしているうちに時間が過ぎていった。またいつものパターンに陥りかけていることにはたと気付いた。
これじゃいけないと早速小説を書き始めることにした。ライブ当日Oの部屋で起きてライブハウスに向かうところまで。10年以上前のことをよくもまあこんなに覚えているものだと我ながら感心する。僕にとって小説を書くことはまるでセラピーのようなものだ。だから創作をしている感じは全くない。
不動産屋に連絡を取ってからというもの気持ちがとても晴れ晴れとしている。夏休みを迎えた小学生のような心持ちとでも言うべきだろうか。とにかくわくわくしている。
こうして一つを選んだことで他の可能性は諦めることになってしまったけど、どっちつかずのままいるよりはよっぽどいい。お遍路や日本一周も機会があればそのうちきっと行けるはず。今はまだその時じゃないだけ。
もちろん完全に納得したわけじゃない。やっぱりあっちだったかもと考えることだってある。でも何を選んでも結局そうなるんだろうとも思う。
つまるところ、選んだものが正しい。思い切って進んでしまえば自然と納得するものだ。この道で正しかったんだと。それが人間ってもんだ。