風が吹くままとイディーを観た。壮大な自然に心がときめいた。求めているものは都会の喧騒ではなく自然の息吹なのだと再認識した。

 

何気ない一言によって人生は大きく変わる。その相手は誰だっていいし気の利いた言葉である必要もない。とにかくタイミングさえ合えばそれでいい。

 

その後もだらだらと過ごした。ベッドに寝そべって空を眺めた。空は次第に暮れてきて熊野で見たようなオレンジ色になった。でもあの時のような気持ちにはなれなかった。空は一つだけど気持ちはそうじゃない。もう一度あの空が見たいと強く思った。

 

夕方ランニングへ。走り終える頃にはもう完全に日は暮れていた。シャワーを浴びて横になる。至福。酒を飲む人ならここできっと1缶プシュッといくのだろう。夜、窓を開けて一服していたら鈴虫の鳴き声に気付いた。少しずつ秋に向かっているんだなあ。

 

明日はいよいよ物件のキャンセルをする。こんな直前になってさぞ迷惑だろう。さすがにメールでは失礼だと思い電話で伝えることにした。考えるだけで緊張する。あーあ。

 

その後は現地へ行って物件を探す。何とも思い切った決断をしたもんだと我ながら驚いている。どうなるかは分からないが、まあ何とかなるだろうとあくまで楽観的に考えている。

 

誰とも会わずに悶々としている方がきっと良い小説が書けるだろう。でも残念ながら今の僕には耐えられそうにない。それは旅を通して人との交流の楽しさを知ってしまったから。

 

一人でいるのは好きだけど、誰かといることも同じくらいに好きだ。そういうつながりが持てる場所にこそ住みたいと今は強く思う。そしてその答えが熊野だった。まあそんな感じ。