三島由紀夫と全共闘のドキュメンタリーを観た。正しさを証明するために人は戦う。でも正しさは人の数だけある。つまりこの戦いに終わりはない。
彼は日本人であることに誇りを抱くと同時に、外国文化に対する憧れも人並みに持っていた。日本人としての自分と作家としての自分。その間で彼は揺れた。
自分がいくら本を書いても、人々はほとんど目もくれず相変わらず海の向こうばかり見ている。自分もそのうちの一人だという事実がどうにも受け入れ難かった。じゃあこの国のアイデンティティとは?彼が辿り着いたのは天皇だった。
以上、全くデタラメな考察。結局本当のところは本人にしか分からない。そしてそれを知る術はもうない。彼の口が開くことはもう二度とないのだから。
昼食後、散歩へ。ソリッドスクエアの噴水前のベンチに座りしばし読書に耽る。人はちらほらといた。皆同じような体勢だった。つまりうなだれがちにスマホを覗き込んでいた。エイリアンとは僕らの未来の姿に違いない。
随分と寒くなってきた。そろそろセーターの出番かもしれない。