先日、移住担当のH氏とともに先輩移住者Y氏の自宅を訪ねた。生活自体を楽しんでいることがひしひしと伝わってきた。理想的な暮らしがそこにあった。

 

物によって満たされる幸福感は常に不足感と隣り合わせ。何もないことに幸福を見いだせたならそれはつまり、永遠に枯れることのない井戸を掘り当てたということ。その人がこれから先不幸になることは二度とないだろう。何かを得ても失っても一切微動だにしない。ただ起こるがままにその身をまかせるだけ。

 

僕にもそんな生き方ができるだろうか。憧れがこんなにもすぐそばに寄ってきているのに、手を伸ばすことさえできずにいるっていうのに。僕は一体何を恐れているのだろう。ただ飛び込めばいいだけなのに。

 

海の深さを知るには実際に飛び込んでみるしかない。もしかしたら意外と浅いかもしれない。でも水面を眺めている限り何も分からない。

 

ここで一つ君に簡単な質問をしよう。

飛び込むこととこれまでの日常を繰り返すことならどっちの方が恐い?