朝食後、最寄りのバス停へ向かう。快晴。駅に着いて発券を済ませてしばしベンチで雑談。

 

あっという間の10日間だった。もう帰ってしまうんだなぁと寂しくなった。1人が好きだったはずなのに、今はその状況がとても切なくてやり切れない。いっそこのまま一緒に帰ってしまおうかと考えてしまったほどに。

 

親はいつか居なくなる。当たり前のことだけどその時を想像したら何とも恐ろしくなった。本当に一人になってしまうんだなぁと。そう考えるとこうして離れて暮らすことが何だかとても悪いことのようにも思えてきた。元気なうちにもっと思い出を作っておくべきかもなあ。

 

なんだかんだで僕はあのヘンテコな両親が好きなんだと気付いた。実家を離れてようやくそのことを認めることができた。だからやっぱりここに来たことは無駄じゃなかった。

 

一人ぼっちの家は妙に静かで広くて落ち着かない。このそわそわした感じはまだしばらく続くだろう。ヤワな僕は近いうち実家に顔を出そうと決心するのだった。