あっという間の10日間だった。
駅で見送ったあと「いつか本当に別れるときが来るんだよなぁ」とふとそんなことを考えた。
そしたら何だか無性に怖くなった。
一人になって少しは強くなれたと思っていた。
一人が好きだと思っていた。
一人でも寂しくないと思っていた。
でも、ぜーんぜんそんなことなかった。
玄関をがらりと開けてただいまと言う。
もう返事はない。
今日からまた一人。
祭りの後の静けさは今でもやっぱりまだ慣れない。
分かり合えないと知った上で、それでもとにかく伝え合う。黙っているよりその方がよっぽど面白いと今回両親を見ていて思った。
共に生きていけるパートナーをちょいと真剣に求めてみようと思った。こうして36回目の夏はちょっぴりおセンチに過ぎていった。
こんなような話をあの時本当は旧友ともしたかった。