周りと比較しては不安に陥るという不毛な行為を定期的に繰り返している。たとえ誰かになり代われたとしても、この不安が消えることはないだろう。

この不安の原因は少なからず社会経験の乏しさにもあると思う。これまでずっと、嫌なことからどう逃げ切るかだけを考えて生きてきたのだから当然の報いではある。小さい頃から人前に出たり注目されることがたまらなく嫌だった。

噛んだりどもったりして恥をかくのではないか、的外れなことを言って笑われるのではないか。そうやって後ろ向きなことばかり考えていた。

本当は自分の無能さを知られたくなかっただけ。理解されるよりも面子を保つことの方が大事だった。自信がなかったからこそ、さらに自信を失う危険性のある一切の行為を遠ざけておきたかった。そして、結果的にますます自信を持てなくなってしまった。まさに悪循環。無念。

理想の自分が重荷になっているならいっそ捨ててしまえばいい、と今は思う。どちらにせよ自分は自分以上にも以下にもなれないのだから。