日本についてどれくらい知っているだろう?つい最近、そんなビギンの歌詞っぽいようなことをふと思った。そこから僕の日本ブームが始まった。
古事記、日本書紀、万葉集、風土記。学校の教科書でちらりと目にしたことはあるけど、これまで実際に読んだことはなかった。興味を持てなかったのは、単純に古めかしくて何だか取っ付きづらそうだと思ったから。
あとはやっぱり外国コンプレックスもあった。どうせ日本は大したことない。そんな無意識的な思い込みが自国に目を向けさせることを阻んだ。結局その呪縛から逃れるのに30年以上もかかってしまった。マッカーサー、グッジョブと言わざるを得ない。
ひとまずは日本の歴史について知ろうと田中英道著「日本の歴史 本当は何がすごいか」を読むことにした。断定的な言い方はさておき、だいたいの概要をつかむことができた。
より深く知るためにはやっぱり当時の作品を読むのが一番だと思った。ぱっと思い浮かんだのは源氏物語。男心がよく分かってるなあと素直に感心した。残念イケメンの元祖はこの光源氏、なのかもしれない。
次に更級日記を読んだ。これはとある女性の13歳から52歳までの日記。ひたすらに内省が綴られていて決して明るくはないが、どこか可笑しさがある。
彼女もまた源氏物語を読み、光源氏に恋焦がれた一人であったらしい。でも最後には現実を思い知り、物語の世界にどっぷりハマっていたことを激しく後悔する。
当時の人生観や宗教観が垣間見られてとても面白かった。テレビもスマホも街灯もなく光るものは月ばかり、そんな時代の孤独感は果たしてどれほど深いものだったろう。そう考えてみると、自分の孤独感がまるでちっぽけなもののように思えてくる。
ちなみに今は蜻蛉日記と堤中納言物語を読んでいる。