20歳のときに実家を出た
初めての一人暮らしは思っていたよりも良いものではなかった
先に仕事を見つけてたらもっと違っていただろうと今になっては思う
結局、一人暮らしを始めて4ヶ月間ほどニートだった。その間に貯金はすべて無くなった。
その後何とか仕事を見つけたものの、生活費とバンドのスタジオ代を払ったら手元には1万も残らなかった
何も買えなかったし、どこにも行けなかった
仕事とスタジオだけの日々に息が詰まりそうだった
実家にいる時以上に不自由だった
憧れの人がいて、何か決断をする時には必ず「あの人ならこんな時どうするだろう?」と考えて、そのとおり行動してきた
その考え自体は悪くなかったと思う
ただ自分の場合はちょっと行き過ぎてしまった
「本当はこうしたい。だけどあの人なら絶対こうはしない。だからやらない」
最終的にこんなひねくれた感じの考え方になった
自分の気持ちに嘘をついているわけだから、やっぱり悶々としたものがたまっていく
そのまま見て見ぬふりをしてたら、だんだんと憧れの人が嫌いになっていった
そして、あるときからこう考えるようになった
「あいつが考えるであろうことと全く逆のことをしてやろう」
呪縛から解放されたようだった
思うままに生きることがどれほど素晴らしいことかを知った
生きるってことは本当に選択の連続だ
現に今も選択を迫られている
あの時実家を出たのは自由になりたかったからだった
でも思ったより自由にはなれなくて、むしろ不自由で一文無しの状態で逃げるようにして23歳の時実家に戻ってきた
それから3年が経つけど、不自由だとはあまり思わない
結局、どんな環境にいても自分次第でどうにでもなるんだと思う
だけど、このままでいいのかと悩む日々は今も変わらない
仕事を変えたい、留学をしたい、旅に出たい、亀を飼いたいetc
選択には多少なりとも犠牲が伴う
それが時々嫌になる
いっそ「選択しない」という選択もある
そうすれば何も失わずに済むし、悩む必要だってない
その代わり得られるものもほとんど無いだろうけれど
面白いことっていうのは大抵、居心地の良い場所から飛び出たところに待ってるもの
確かに飛び出すことは怖い
でもそれよりもっと怖いのは、飛び出さずにずるずると後悔してしまうこと
やっぱり僕は選択をしなくちゃならない