今でも時々会う地元の友達が1人だけいる
お互いに性格も趣味も好きな音楽もまるっきし違う
それでも友達なのはやっぱり「あの頃のぼくら」のおかげだ
僕が居留守を使うことも全然電話に出ないことも気分屋なことも根暗なことも彼はすべて知っている
その上で平然と彼はキャバクラやフィリピンパブや風俗や合コンに誘ってくる
そんな彼と昨日の夜久しぶりに飲んでいた
そしてその帰り、いつもはタクシーに乗り込んで颯爽と去ってゆく彼が少し散歩していこうかと言った
その道中、僕らは本当に他愛もない会話をした
何がどうってわけじゃないんだけど、とても気持ちの良い夜だった
今までにもそういう夜があったことを僕は知ってる
その度にこんな夜は2度と来ないだろうと思った
でもそれは間違っていた
信じていればまた何度でもやってくる
大切なことはいつだって忘れがち
そのことを忘れないように