貧困や紛争が無くならないのはそれによって利益を手にする者がいるから。そんな非情な現実を「ダーウィンの悪夢」という映画はまざまざと見せつけてくれる。
ちっとも平和になどなっていなかった。ただ表向き争いが起きていないだけだ。
自分たちの利益を守るためなら平気で他人を悪者に仕立て上げる。人間関係と同じ。分かり合いたいという気持ちなど元から持ち合わせていない。
あるのは不幸を願う気持ちだけ。どれほど美辞麗句を並べても内心は自分たちのことしか考えていない。
強者だけがますます富んでいく世界。そんな世界にいったいどれだけの価値があるだろう。どこを選んでも結局同じ場所にたどり着いてしまうあみだくじ。私たちが置かれている状況はまさにそんな感じ。
でもまさかそんなことあるわけないと思っている。それではあみだくじとして成立しないじゃないかと。そうしてさらに深みにはまる。
人間の業は海よりもなお深い。