無能なナナを観終わって喪失感に包まれている。みちるはきっと死ぬんだろうなーと薄々感じてはいた。
みちるの死は確かに悲しい。でもそれ以上に悲しくてやりきれないのは、大切なものを手に入れた矢先にそれを失ったという事実の方。
こんなにも感情移入してしまったのは、自分が最も恐れていることをまざまざと見せつけられてしまったから。私が何より恐れていること。それは失うことだ。
だからこれまで必要以上に得ようとはしなかった。そしてできるだけ手放すようにしてきた。物もお金も人間関係も最低限で済ませて、喪失感と上手い具合に距離を取っていた。
失うということはそれまでそこにあったものが無くなるということだ。私にはそれを受け入れて乗り越えていける自信が正直1ミリもない。
人間関係ならなおのこと。その人との関係性は唯一無二のもので、誰かで埋め合わせることはできない。その人と同じぐらいの関係性を別の誰かとまた新たに築くという過程も正直しんどい。
だったら最初から深く関わらなければいい。ごくごく自然にそういう考えに至った。
ここ最近加藤諦三さんの本を読んでいる。辛辣だけど完全に突き放すわけではないこの絶妙なバランスに救われる。
他人を好きになれない自分、他人から好かれない自分、そういう自分を好きになってあげようと良い意味で開き直ることができた。
このあとナナは一体どうやって乗り越えてゆくんだろう。
