コーディングほど現実逃避に最適な作業はない。一人で黙々とできるし場所にも縛られない。あっという間に時間が経っていて最後には形としても残る。
運営サイトたちの成長過程を眺めることは何よりも楽しい。実益のある趣味としての最頂点じゃないかと思う。僕が今こうしてのほほんと小説を書くことができているのも完全に彼らのおかげだ。本当に本当にありがとう。
サイトを作り始めたとき、僕にはほとんどプログラミングの知識がなかった。聞ける人も近くにいなかったし公式ドキュメントの読み方さえ分からない有様だった。
最初に書いたコードは本当にひどいものだった。ループや配列や関数の仕組みもちんぷんかんぷんで、ひたすら同じコードを使い回して「動けば良いさ精神」で何とかやり過ごしていた。それでもエラーメッセージの数は尋常じゃなかった。
いざ公開してみたら表示までに数十秒待たされるという、一昔前のインターネットを体験できるサイトと成り果てた。アクセスする度にプログラムが実行されてしまっていたのが原因だった。ここで初めてキャッシュが必要だということを知った。
このあたりから少しずつ理解が広まり出してきた。ループ、配列、関数、ライブラリ、API、エラー対策、クーロン実行などなど。でもクラスだけは未だによく分からない。小規模なプログラムには大袈裟な気がして手を付けられずにいる。他にも分からないことはまだまだたくさんある。きっと終わりはない。
失敗だらけでも途中で投げ出さなかったのは、誰より自分自身がこのサイトを必要としていたからだ。必要は成功の母という言葉があるけど全くその通りだと思う。技術は後からちゃんとついて来るものだとも学んだ。
儲けてやるぜという気持ちは微塵も無かった。現に最初の3年半は外からのアクセスはゼロで自分だけしか見ていなかった。でも満足だった。我ながら本当に良いものを作ったと思った。
そんなある日いきなりアクセス数が1000を超えた。訳が分からなかった。宣伝も何もしていないのに。これがドメインエイジの力なのか、とマッドサイエンティスト口調で呟いたことを今でもはっきりとよく覚えている。
それからさらに1年経って、まあ小遣い程度になればという軽い気持ちで広告を貼ってみることにした。あくまで控え目に。広告ばかりのサイトには自分自身辟易していたから同じような思いを味わわせることだけはしたくなかった。
今になって思うのは、いくら好きなことでも必要性を感じなければ続けるのは難しいなということ。そして誰かの役に立ちたいという考えは後付けでもいいということ。自分が必要だと思うことをやる。それが成功の秘訣。
●今日のこと
・運営サイト機能追加続き。完了
・ロマサガ3を久々にプレイ。グウェイン強しゅぎ