過去を辿っているとそれだけで頭の中が満たされて今この瞬間がどこかに吹っ飛んでしまう。まるで長い旅に出たかのような気分でもある。

 

彼らは僕よりもずっと多くの経験をしていた。その事実を目の当たりにすると、こんな中途半端な僕が物語を書いてもいいんだろうかとどうしても思えてきてしまう。

 

表層しか見てないくせに知ったような顔すんなよともう一人の自分が囁きかけてくる。そこで僕はこう返す。分かってるよ。うるせーよ。

 

そうだ、別に彼らのために書いているんじゃない。あくまで自分のためだ。彼らが実際にどうだったかなんてどうでもいいことだ。大切なのは僕から見た彼らである。

 

彼らに笑われてしまうような的外れなことを書いたっていいんだ。結局は僕の立場からでしか物は言えないし、それこそが紛れもない真実なんだから。

 

キンドルに入れてから改めてjbを読んでみた。こう書いた方がいいかもという箇所をいくつも見つけた。でもどうするか迷っている。書き直せば確かに見てくれは良くなるかもしれない。同時にそれは過去の自分を否定することにもつながる。

 

語尾を少しだけ直す程度にしてそのままいっちゃおうか。書き直すってことは多少なりとも他者を意識していることになるわけで、その間自分のためという大義名分がすっぽりと抜けてしまうことになる。

 

ついでに言うと楽しくない。一度終わった話に手を加えるなんていうのは、墓場から死体を掘り起こして化粧を施すようなものだ。死人に化粧は必要ない。よし決めた。過度な加筆や推敲はもうしない。先に進む。

 

●今日のこと

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