会社員を辞めた後も平日と週末を区切る癖はなかなか抜けないものだ。そして週末が訪れるたびにどこかへ出かけるべきだと心は騒ぐ。まるで家にいるのは損だと言わんばかりに。
この間抜けな心=自我は一つ大きな勘違いをしている。すなわち、すべての出来事が自分の外側で起きていると思っている。簡単な質問をしよう。君は今美術館にいる。そこには様々な作品が飾られている。ではその作品はどこにあるだろう?
君はきっとこう答える。作品は美術館の中にある、と。そんな君に僕はささやかな目隠しを贈ろう。それからまた同じ問いを投げかける。その作品はどこにある?
この状態になってやっと君は外には何もないことを知る。そして視覚の中にそれらがあるということも。
最後にもう一つ。君は今この文章を読んでいる。ではこの文章はどこにある?
●今日のこと
Mに運営サイトのデモページ編集の依頼。依頼のための資料作りという不毛な作業を小一時間ほどやる。ここ2日分のブログを書く。ベローチェで読書という夢想に駆られたが踏み留まる。散歩に行こうとしてやめた。