生きていれば色々なことを知る。というより知ってしまう。その繰り返しが人を無感覚、無感動にさせる。小さい頃はたくさんのことを知ればその分幸せになれると思っていた。そうして今は、何も知らなかった頃がどれほど幸せだったかを知る。
もちろん20歳以降だって色々なことがあったし様々な出会いもあった。でもはっきりと思い出せることは少ない。1年前のことでさえあやふやだ。代わり映えのないのっぺりとした毎日を過ごしていたということなんだろう。
結局最後に残ったのは20歳までにできた友人だけ。でもそれも1人また1人と疎遠になっている。どのみち会ったところで大した話もないんだけれど。こうやって冷めたことばかり言うから次第に人が離れていくわけだよね。分かってるけど止められない。ライク・ア・かっぱえびせん。
ところで親父には友達らしい友達がいない。以前は全くそれが信じられなかった。でも気付いたら自然と私もそうなっていた。息子は親父に似るっていうのはどうやら本当らしい。